このサイトについて

はじめに
ポール・スポング博士は、30年以上も野生のオルカ(シャチ)の研究を続けている研究者です。
20年前の満月の晩、静かな海に泳ぐオルカたちの息づかいに耳を傾けていた、スポング博士は、もし全世界がこの美しい瞬間を共有できるようになれば、人類の世界観は大きく変わるだろうと確信しました。
大自然の中に置いたカメラからの映像と音声を、全世界に生中継するという、ネイチャー・ネットワーク構想は、この時のインスピレーションから生まれました。
当時は技術的に実現が難しかったこの構想は、インターネットの普及によって実現の可能性が高まってきました。このサイトでは、ネイチャー・ネットワークの実現に向け、2000年から、さまざまな実験を行なっています。

ネイチャーネットワークとは?
ネイチャーネットワークとは、世界中の大自然の中に置いたカメラからのライブ映像・音声を全世界に中継しようというアイデアです。
「自然に大きなインパクトを与えずに、人と自然の距離をいまよりももっと近くしたい」ということがスポング博士の願いです。(「スポング博士からのメッセージ」も是非お読み下さい。)
いま、この瞬間にも、地球上のあらゆる場所で、多様な生命がその命を輝かせて生きています。
そのことに、ふと気づかせてくれるメディアがあったら素敵ではありませんか?
都会での生活の中に、自然のリズムを思い出させてくれる窓が開かれれば、私たちの世界に対する感じ方や、心のありようも、少しは変化するのではないか。そんな願いも込められています。

ポール・スポング博士について
1939年、ニュージーランド生まれ。
UCLA大学院で、脳の機能について学んだ後、バンクーバー水族館でオルカの研究を始めました。しかし、水族館に閉じ込められたオルカを研究対象とするのではなく、大自然の中を悠々と生きているオルカを研究することに意義があると感じ、1970年に、カナダのバンクーバー島のそばに浮かぶ無人島、ハンソン島に移り住み、「オルカラボ」を設立します。

以来、現在に至るまで、30年以上にわたり、野生のオルカの生態研究を続けています。

夏の実験について
インターネットが普及してきたとはいえ、電線や電話回線などが簡単には届かない大自然の映像をインターネットに接続するのは、とても大変です。何よりも、そのせいで自然が悪い影響を受けてしまっては元も子もありません。そうした問題点にも、ひとつひとつ目を配りながら、実験を始めていきたいと思います。
2000年から、スポング博士の住むハンソン島周辺に設置された6つの水中マイクと4台の水中カメラ、2台の地上カメラから、オルカの声と映像を届けるライブ実験を行っています。(2000年7月に実際に設置しに行ったスタッフの奮闘ぶりは、「スタッフ日記」をご覧下さい)
もちろんテクノロジーの実験だけが目的ではありません。実際にライブを体験してくださった皆様の感想やご意見も、このプロジェクトを未来につないでいくための、とても貴重な実験結果となります。
ぜひ皆さんも、オルカライブに参加してください。




このプロジェクトの目標
ハンソン島という自然の中から、オルカの映像と音をライブで届けることもひとつの目標ですが、ネイチャー・ネットワークがインターネットの上で、どのようにデザインされることがふさわしいのか、その表現の方法の模索もしていきたいと考えています。
また、このサイトでは、カナダの海からの生中継を皮切りに、世界中に新しいネイチャー・ネットワークの拠点を増やしていくことも目的のひとつです。
そして、PC上のみならず、恒久施設やイベントと連動しながら、環境教育や科学教育のツールとして育てていくことができたら、面白いと思っています。


ネイチャーネットワーク・プロジェクトの
公式サイトはこちらから
Nature Network
http://www.NatureNetwork.net/jp